最近、『米国株が軟調なら他もダメ、だから現金が一番安全だ』という意見を目にしました。たしかに私自身も積み立てNISAのインド株がマイナスになり、「米国ダメ、新興国もダメ」という現実を肌で感じています。
米国株はAIブームの後始末でEPS成長が鈍化し、さらにはトランプ政権の相互関税の影響で経済が不透明な状況になっています。このような時期、やはり「キャッシュイズキング」という発想には大きな説得力を感じます。
ただ、歴史的な視点から見ると、米国が低迷する中、新興国が相対的に良かったケースもあります。例えば2000年代初頭のITバブル崩壊後は米国株が長期間低迷した一方、中国やインドなどの新興国株は大きく伸びた時期もありました。リーマンショック後も同様で、新興国の回復が米国より速かったという事例も見逃せません。
とはいえ、これらはあくまで過去の話で、今後も同じように進むとは限りません。不確実性が強いときには「積極的にリスクを取りに行く」よりも、「現金の比率を高めて守りを固める」という判断の方が賢明でしょう。キャッシュが多ければ、市場が大きく下落した時に安値で買いに動ける余力が生まれます。
仏教に『中道』という考えがありますが、投資も同様に「極端」を避けるのが良さそうです。完全にキャッシュ一択にするのも、逆に株式に全力投資するのも避け、心穏やかに過ごせる資産配分を目指すことをおすすめします。
市場の不透明さが増す今、あなたの資産配分はどうなっていますか?ぜひ一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。