- 猫は言葉で「具合が悪い」と言えないからこそ大切
まず大事なのは、猫は自分で「ここが痛い」「体調が悪いよ」と言葉で教えてくれないということです。そのため、飼い主さんが日々の様子から変化を見つけるのは難しく、病院に連れて行ったときにはすでに症状が進んでしまっているケースもあります。
そこで有効なのが、定期的な健康診断です。早めに検査をしておくことで、何かしら異常が見つかったとしても治療や食事療法などの対策を取りやすくなります。
- 年に1回が基本、シニア猫なら半年に1回
一般的に、猫の健康診断は年に1回が目安とされています。しかし7歳を超えるシニア猫の場合は、腎臓や肝臓などの機能が衰えやすくなることもあり、半年に1回受診するのがおすすめです。猫によくある腎臓の病気は、症状が出る頃には病状が進行していることも少なくありません。「いつも通り元気そうだな」と思っていても油断せず、ある程度年齢を重ねたら受診頻度を上げると安心ですね。
- 病院へ行くとストレス? 尿検査をこまめに行う方法も
「うちの猫は病院に行くと緊張してよだれが止まらなくなる」といったお悩みもよく耳にします。慣れない環境や匂いが大きなストレスになることは珍しくありません。
そこでおすすめなのが、尿検査だけをこまめに行う方法です。尿を自宅で採取し、なるべくフレッシュな状態で病院へ持ち込めば、血液検査などフルコースで行う健康診断ほど頻繁に通院しなくても、体調の変化をチェックできます。
実際に、私は半年に1回は病院で全体のチェックを受けつつ、3ヶ月に1回は尿を採取して診てもらうというスタイルをとっています。猫のストレスを抑えつつ健康状態をしっかり確認できるので、とても助かっています。
- 健康診断でどんな検査をするの?
猫の健康診断では、次のような検査が代表的です。
• 身体検査: 体重測定、触診、目・耳・口などのチェック
• 血液検査: 腎臓や肝臓、貧血や糖尿病などの早期発見に有効
• 尿検査: 腎臓や泌尿器系の病気を発見しやすい
• レントゲン: 心臓や肺、骨格の状態チェックに利用
• 超音波(エコー): 内臓(肝臓、腎臓、膀胱など)の状態をより詳しく把握できる
これらの検査を行うことで、普段は気づきにくい病気の兆候を見つけやすくなります。また、ワクチン接種やノミ・ダニ、フィラリア予防などの相談も同時にできるので、まとめて健康管理をするのにぴったりです。
- 「行くのが面倒」こそ要注意
人間でも、健康診断はつい後回しにしがちですよね。「忙しい」「面倒だし、元気そうだから大丈夫」なんて思っていると、重大な病気を見落としてしまうことも。猫の健康管理は飼い主さんの責任の一つです。病院へ行くハードルを少しでも下げる工夫として、
• なるべく混んでいない時間帯や曜日をリサーチして通う
• 病院へ行く際はキャリーバッグを慣らしておく
• 担当獣医さんと定期的にコミュニケーションを取る
などを意識してみると良いでしょう。
猫の健康診断は、年に1回が基本で、シニア猫は半年に1回くらいのペースで受けるのがおすすめです。加えて、病院が苦手な猫ちゃんの場合、尿検査だけを3ヶ月に一度行うなどの工夫で、ストレスを軽減しながら健康状態を管理できます。
「猫はいつまでも元気でいてくれる」と思い込みがちですが、言葉を話せないからこそ、定期的なチェックがとても大切。大切な家族の一員として、猫ちゃんが健康で長生きできるよう、健康診断を上手に活用してみてください。